CD録音について　Part 2

自分で録音をしていると市販のCDの録音が気になります。
特にピアノの録音については自分も多く経験しているのですごくすごく気になるのです。
すばらしい録音についてはどうやって録ったんだろうと思いますし、その反対のこともあります。

その中で、日本の一流の録音エンジニアの手によるもので、有名オーディオ評論家が高い評価をしているのに僕にとってはどうしても納得がいかないCDがあります。

ビクターから出ている木幡律子さんの「新ピアノ名曲全集」の一連のCDです。録音エンジニアはY.T.さん。
ステレオ誌の97年上半期のクラシック部門のベストレコーディングエンジニアです。
この全集の中の「古典期名曲集　上　下」は同じくステレオ誌の94年4月のベストレコーディングに選ばれていて総合点は10点満点中9.6点です。評価したオーディオ評論家はH.S.さん。

確かに音はきれいだと思います。
ダイナミックレンジや周波数レンジがそんなに狭いとは思いませんが、どうしても納得できない点があります。
ピアノの音がスタインウェイらしくないのです。
スタインウェイらしい中高音のきらびやかさと音の伸びが感じられないのです。
まるでヤマハみたい。
ピアノの調律、ホールの響き、録音の方法の3つの要素があると思いますが、結果としてのこの音はナニ???という感じです。
プロデューサ、レコーディングディレクターまたはレコーディングエンジニアのいずれかがヤマハ好き???
でも、このCD、わざわざニューヨーク スタインウェイ D-274使用って書いてあるんです。
ピアノのメーカーまでは記述していないCDが大多数ですが、このCDではわざわざ記述しているのに…。
こんなこと書いてなければ僕も全然気にしなかったんですけど。
この録音はマルチマイクによるものだと思いますが、そのせいなのかなぁ？

ダイナミックレンジとか周波数レンジとか言う前の問題だと思うんです。
歌手Aさんの歌がBさんの声に聞こえるっていうのと同じようなものですから。
何でこれをベストレコーディングにするのかなぁ？
僕にとっては不思議でしょうがありません。

僕の好きなピアノ録音に以下の3つのドイツグラモフォンのものがあります。
（http://members.aol.com/kksoundlab/sub8.htm）

−　アルゲリッチ
　　シューマン　子供の情景・クライスレリアーナ
−　クリスチャン・ツィマーマン
　　ドビュッシー前奏曲集
−　ウゴルスキ
　　ピアノ・リサイタル　（プゾーニ/リスト他）

3つとも明らかにスタインウェイの音がします。
CDには特にそうは書いてありませんが。

もし、これらのCDをお持ちの方がいらしゃいましたらご意見をいただきたいのですが。
もっとも、ほんとはこんなこと気にしないで音楽そのものを聞くべきなのかもしれませんが。

今日もちょっと長くなってしまいました。