Project Full HS-500 Multi Channel Part2

リア・スピーカもHS-500にすることによって、フロントのHS-500 Vertical Twin の2組をベースにサブ・ウーファと8KHzでクロスさせたスーパー・トゥイータを加えた4Wayシステムと合わせるとHS-500は3組になったわけです。
まさにおバカの完成といったところでしょうか。
日本広しといえどもここまでおバカなシステムは無いと思います。

で、肝心の音は…
たかが副次的に鳴っているリア・スピーカくらいではそんなに大きな変化はないと思っていたんですが…予想をはるかに超えたその変わり方にはビックリ。

まず、リア・スピーカの存在感が前に比べてグッと減少。
全体の統一感は抜群。
当たり前ですが、マルチで鳴らしていてフロントのボリュームを絞ると、まったく同じ音色の音がリアから出ている。
チェック・ディスクによる確認でも前後の定位感が向上。

ここまではいいんですが、問題は…
全体があまりにもピュアなHS-500の音になってしまったので、響きが冷たく感じられる。これはSX-500 Dolceが比較的甘めの暖かい音調であるのに対し、HS-500特有のまじめな、ちょっと冷たいキレのある中高音に変わってしまったため、より大きな変化に感じられたのかもしれません。
ふわっと暖かく音に包み込まれるという感じから、冷たい凛とした雰囲気のなかに身を置く感じへの変化。
もはや"眠れる音"ではなくなったみたい。この音ではリラックスできない。というわけでしばらく悶々としていました。

自分としては納得いく状態ではなかったのですが、Oldさんから聴きたいという要請があったため、先の9日にお越しいただきました。もう破れかぶれ。
でも、この状態を聴かれたOldさんの評価は僕にとっては意外なものでした。
全体としての統一感を気に入っていただけたようです。
というか前の状態のときにあった前後での違和感がなくなって広い音場感が得られているとの評価。
僕が気にしていた神経質さは感じられなかったようです。
う〜ん、気にしすぎかなぁ？
音の質は変更後のほうが明らかに高いのでもう少しこのまま鳴らしてみよう。もう少し聴いていると耳がマヒして(^^;)気にならなくなるのかも…。
だといいんですが…。

でも、今回の変更でやっぱりリア・スピーカといえどもおろそかにはできないということがわかりました。
やはり、フロントとのマッチングは重要。
HS-500は2Wayということもあってか、フロント左右のスピーカでファンタム・センターの音を出すとピンポイントの定位感が得られるので、センター・スピーカの必要性はあまり感じていません。
今回の経験から、僕にはセンタースピーカを置くことよりもリア・スピーカをフロントと揃えることのほうが大事なことのように思えます。