Alps Diary (Haute Route Day 6)
Alps Diary (Haute Route Day 6)
Alps Diary (Haute Route Day 6)
Haute Route の Day 6。

ついにここまで来た。
相変わらず、筋肉痛もヒザ痛も無いがちょっと困ったことに左のかかとが靴擦れを起こしズル剥けになってしまった。
ここは普段の登山でも靴擦れしやすいところなのであらかじめCompeedという靴擦れ防止用のテープを貼っておいたのだが、剥がれにくいのをいいことにずっと貼りっぱなしにしておいたのがまずかったかもしれない。
バンドエイドに貼りかえる。あと2日なので痛みは我慢するしかない。

昨日は晴れていればベルトゥール小屋の窓からマッターホルンが見えたはずなのだけれど、ガスでダメだった。今日は見られるはずだが…
午後から天気が崩れそうという予報なので出発時間が早まった。
5時前に出発。

今朝はゴアテックスのオーバーパンツも履いている。
まだ暗いのでヘッドランプを点ける。
ハーネスを着け、ロープで繋がれて昨日昇った階段、ハシゴを降りまたあのいやな岩場をトラバースして氷河に降りる。

ここでクランポン装着。まだちょっと暗いがもうヘッドランプはいらない。
広大な氷河を今日のピーク、というかこのトレッキングのピークのテテ・ブランシュ(Tete Blanche)を目指す。
振り返ると薄暗い中に岩の上のベルトゥール小屋の明かりが浮かんで見える。
最初は緩やかな登り、でもだんだん急になる。
ジグザグにトラバースしながら斜面を登る。息が上がってくる。
テテ・ブランシュの頂上はもうすぐ。
マークからあと5分と声がかかるが、息が続かなくなってたまらずマークに合図してちょっと停めてもらった。水を飲んで、Tさんにいただいたエナジー・バーを口にしてすぐに出発。ほどなく頂上へ到達。3704m
マークがメンバーに抱きついて祝福してくれる。
すぐそこにマッターホルンが見える。
しばし写真を撮りまくる。

このあとはストゥッキ氷河(Stoeki Glacier)を降りる。
登りとは順番が反対になり、Tさん、フィリップ、メルシャ、僕、カミさん、マークの順に進む。また、ロープの間隔も今までの約5mから6、7mに広げたようだ。
多くのパーティが先行しているのでトレースはあるが、それでも足がかなりもぐって歩きにくい。
途中いくつかクレバスを飛び越える。
マークはクレバスにかなり気を使っているようだ。
ところどころ急なところがあって、ガニ股のBig Stepで降りるが足の置き場を間違えると腿まで潜るので消耗する。
一番急な部分でカミさんが苦労してちょっとスタック。
斜面が怖くて腰が引けたのかもしれない。
最後はマークが後ろからロープで引っ張りながら尻ですべり降ろしてくれた。

僕も前からメルシャに引っ張られ後ろもカミさんとのロープが張るのでバランスに苦労する。
一度メルシャから強く引っ張られて雪上にうつぶせに倒された。
パワフルな引きに対応できなかった。(^^;)
そんなに急な斜面ではなかったが、それでも頭が下だし、背中のバックパックがのしかかって重いので無様にもがくがなかなか立ち上がれない。

苦労してやっとモレーンというのか氷河の中の岩、砂利などが堆積した中州のような場所にたどり着いてピクニック。
今日のお宿、シェーンビエール小屋(Schoenbiel hut)が前方左上の斜面の棚のところに見える。
ここでクランポン、ハーネスをはずす。ゲーターを残してオーバーパンツも脱ぐ。

雪、モレーンが交互に来る緩やかな下りの後、左上方のシェーンビエール氷河(Schoenbiel Glacier)を登る。やはり天気は下り坂みたい。
ここは上に雪は無くがりがりに凍っているが、鏡面のような氷ではなく細かい凸凹のある氷なのでクランポン無しでもフラットに足を置けば登山靴がグリップする。アイスアックスを支えに慎重にジグザグに登る。
ここでも足の速いフィリップ、メルシャ、Tさんは先に行くが、また、マークが僕らの前に立ってペースを作ってくれる。
氷河の途中から右側のガレた斜面を登る。
この登りの途中で雨が降ってきたのでゴアテックス上着を着る。
棚の上に出て右に進むとシェーンビエール小屋が見えてくる。
ほっとした。

シェーンビエール小屋でお茶を飲み温まった。
最後は雨に降られたけれど、雨具のおかげで中まで濡れなくてすんだ。
カフェテリアに置いてあったオートルートの本にストゥッキ氷河の写真が載っていたが僕らが今日降りた様子とはまったく違う。
写真では大きなクレバスだらけ。
マークに聞いたら8月末ごろには写真のようになるんだとか。
ということは僕らは雪に隠れたクレバスだらけの斜面を降りてきたことになる。
マークが慎重になっていた理由がわかったような気がする。

今日は夕食時にビールで乾杯。ここには樽生ビールがあったのでホントはそれにしたかったのだが、売り切れていた。
500mlのビールをカミさんと分けて飲む。
アルコールは高度障害を引起こす原因になるので、前の小屋では控えていたが、もういいだろう。

写真は上から、テテ・ブランシェからマッターホルンをバックに、
ストゥッキ氷河からのマッターホルン、
ストゥッキ氷河を振り返って。

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