Project "M" - Mont-Blanc Training Day 1-1
Project "M" - Mont-Blanc Training Day 1-1
6月20日(日)、今日からマークの山岳ガイド会社、ル・ペイ・デン・オート(Le Pays d’En Haut http://www.lepaysdenhaut.com/)のモンブラン・トレーニングコースへの参加となる。

このプログラムは最初の4日間が、氷河や雪上での歩行、アイス・クライミング、クランポンを履いての岩登りなどの訓練で標高2700mから3100mくらいの山小屋に泊まるため高度順応を兼ねている。
4日目はシャモニーで1泊、その後の2日間でモンブランへの登頂を目指すことになっている。
ル・ペイ・デン・オートのプログラムは高度順応のためには高いところで泊まる必要があるとの考え方に基づいている。
ちなみに日本のツアー会社のモンブラン登頂コースでは登頂前の宿泊はほとんどが標高約1000mのシャモニーなのでそのような考慮はなされていないようだ。

また、このプログラムではモンブランのために必要な登山技術は最初の4日間でトレーニングするので参加者に技術的なレベルを要求していない。
ただ、体力レベルについての要求は高く7Kgのバックパックを背負って1時間に高度差500mのペースで1000m登れてバテバテにならないことを求めている。
クライテリアは極めて明確。

朝、置いていく荷物をホテルに預けてチェックアウト。
予報では天気がよくないのでゴアテックスの雨具の上着とゴアテックスのアルパインパンツをはいている。
そそくさと朝食を摂って待ち合わせ場所のモンタンヴェール(Montenvers)登山電車の駅に向かう。
シャモニー駅から登山電車の駅にいくための跨線橋が工事のためか閉鎖になっていたので大回りして時間をロスした。待ち合わせ時間ちょうどの7時50分になんとか到着。
すでに参加メンバーが待っている。
マークと再会を喜びあう。

ここでサプライズ。
まず、モンタンヴェールへの登山電車が土砂崩れのため動いていない。
従って、メール・ド・グラス(Mer de Glace)氷河で行う予定だったアイス・クライミングの講習は山の上で行うとのこと。
そしてもっと驚いたのはモンブランへの登頂コースの変更。
当初の予定ではケーブルカーでエギーユ・ドゥ・ミディ(Aiguille du Midi)まで行って、そこから歩いて約20分のコズミック小屋(Cosmiques Hut)に泊まって翌朝深夜出発しモンブラン・ドゥ・タキュール(Mont-Blanc du Tacul)とモン・モディ(Mont Maudit)の2つのピークを越えてモンブランに登る三山縦走コース(3 Mont-Blanc Route)のはずだった。
しかしながら、雪が多すぎて雪崩の危険があるためこのコースは現在閉鎖されているとのこと。
というわけでテート・ルース小屋(Tete Rousse hut)、グーテ小屋(Gouter refuge)経由のノーマル・コースを採るとのこと。
しかも、宿泊の予約が取れないからだろう、テート・ルースにテントを張ってそこから一気に頂上まで上ると言う。
テート・ルースからだと標高差1600m以上あるのでかなりつらい登りになりそうだ。
通常、ノーマル・コースはグーテ小屋泊まりで残り1000mを登ればいい筈なのに…
しかも、下りはその日中にテントを撤収し、さらに下の登山電車の駅、ニー・デーグル(Nid d’Aigle)まで降りて登山電車とケーブルカーで帰ってくるらしい。

マークは「大丈夫、深夜に出発すれば頂上には朝着くし、帰りはテート・ルースでシエスタ(お昼寝)した後、下ればいいんだから」などと言うが…。
彼は自分でも僕はオプチミスティックだと言っているのでたぶんそうなのだろう。
でも、彼の笑顔を見ていると何とかなるのかもしれないと思えるから不思議。
いずれにしても他に選択肢はないので従うしかない。
グッド・ニュースとしては明日から天気はよくなりそうだということ。
モンブランへの登頂ルートについては以下のURLに詳しいのでご参考まで。
http://www.icicle-mountaineering.ltd.uk/conditions.shtml

最後の参加者が現れて参加者12人が揃った。
フランス人が9人、スペイン人が1人、そしてカミさんと僕。カミさん以外は全員男性。
若い人が結構多い。明らかに僕らが一番弱そうだし、年齢も一番上かもしれない。
カミさんと顔を見合わせてダイジョブかしらん…。

ガイドは3人で、マークの他にピーターとクリストフ。
トレーニングでは一人のガイドに4人の参加者がひとつの組になる。
僕らのガイドはマークでフランス人のパスカルとジャン・ポールが同じ組になる。
彼らは僕らと同年代かも。

モンタンヴェールには行かないので午前中に今日の宿泊地のアルバート・プリミエール小屋(Albert 1er Hut)に行くことになる。
僕らとパスカル、ジャン・ポールはマークの車でテレキャビンの起点のル・トゥール(Le Tour)に向かう。
ル・トゥールでは時間が早いので参加者全員でまずCofee/Tea Break。
その後、テレキャビンの乗り場前でヘルメット、安全環付きカラビナが2個ついたハーネスの分配を受ける。
これらはル・ペイ・デン・オートからの借用品。
ヘルメットはバックパックにくくりつけたのだが、これが後で大変なことになる。

続きは次回。

最初の写真はモンブランの2つのコースのルートとその標高を示す図。
2枚目はル・トゥールのテレキャビン乗り場前で。

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