Grand Paradiso & Monte Rosa - Monte Rosa Day 2-1
Grand Paradiso & Monte Rosa - Monte Rosa Day 2-1
Grand Paradiso & Monte Rosa - Monte Rosa Day 2-1
7月8日(月)、モンテローザ2日目。

今日がいよいよモンテローザへの当日。
夜、カミナリ。雷鳴とピカピカ、それと雨が小屋の屋根・壁面をたたく音。
今日は駄目かと思ったのだけれど、朝、腕時計の目覚ましをかけた時間に起きるとマークは今日登るという。
雨はどうもやんだようだし、カミナリは遠くだからダイジョウブだとのこと。
テルモスの紅茶は昨日ディナーの後でもらってある。
あわただしく、パンと紅茶の簡単な朝食をとって出発。
出発は3時頃だったか、実は記録しておくのを忘れてしまった。
もちろんまだ暗いのでトーチライトを点灯して登る。
僕らは中厚のウールの下着に化繊の速乾性山シャツ、その上に薄いゴアテックス雨具を付けている。
ちょっと厚手のインナーダウンをバックパックの中に持っている。
僕らのゴアテックスはペラペラの日本の夏用の雨具で、こんなのを着ている人はアルプスの山ではほとんど見ない。
地の厚い、ゴアテックス・パーカーが一般的。でも、それだと日本ではほとんど冬山でしか使い道がない。
ゴアテックスのパーカーは高価なので、ヨーロッパのアルプスのためだけに買うことができないでいる。
薄手だと重ね着の調整には便利なのだけれど、アルパイン用としては強度的な問題もあり、ベストチョイスとはいえないようだ。

最初はクランポンなしで岩混じり、雪混じりのフットパス(?)を登る。
しばらくして氷河に出たところでクランポンを付ける。
雪の状態はあまり良くない。時々大きくはまって足をとられる。
モンブランに登った時は雪は締まって歩きやすかったのだが、今回はちょっと違う。
しかも、モンブランの時、僕らはひとつ下のテートルース小屋から登ったのだが、今回はその時よりもさらに100mほど標高差が大きい、約1800mを登らなくてはならないので先が長い。
マークのペースは速くはないので、息苦しくはないのだけれど、このペースで頂上までタイムリミットまでに到達できるのかちょっと気になる。
10時ころまでに登れればいいのだろうか?
途中まだ暗い中、腹に響くような轟音。マークによるとリスカム北斜面の雪崩によるものらしい。

他のチームは僕らよりもペースが速いので次々抜かれる。
僕らはひたすら牛歩。1時間に1回、5分くらいの給水、エナジー補給休憩。
モンブランの時もそうだったけれど、4000m付近を登っていると脳の酸素不足のせいか何も考えられなくなる。
ただ、ひたすら足を一歩一歩前に出すだけ。
やがて辺りは明るくなってきたけれど、ここは北斜面なので陽はまだあたらない。
気温はそんなに低くないようで、寒くはない。今回は軽量化のためブーツは厳冬期用ではない。日本の春の雪山用。
モンブランの時と同じタイプのブーツ。モンブランでは足がややかじかむことがあったが今回ほそれほどでもない。
ちなみに昨年のモンテローザ・トレッキングでは4000m超の山々のトレッキングだったので厳冬期用を使用した。
今回は1日のみの登山なので軽さをとった。

いくつか急な斜面と緩やかな斜面を交互に登った後で、前方に2つの大きなピークが見える広い緩やかなスロープに差し掛かった。
左奥がデュフール・スピッツェの頂上で右側にきれいな尾根筋を見せるピークは前衛峰らしい。
その前衛峰の右側の急なリッジを登るグループの姿が見える。

僕らを追い越して行った別の3人のパーティがしばらく前から頻繁に休むようになって少し距離が縮まってきたようなのでおかしいなと思っていたら、
広いスロープで少し止まってから引き返してきた。
何かトラブルがあったのだと思う。

彼らとすれ違ってからしばらく歩いてやっと前衛峰のリッジに達した。
下から見ていたよりも傾斜がある。
ここでウォーキングポールをアイスアックスに持ち替える。
アイスアックスのピックを雪面に叩き込み、クランポンの前爪を蹴り込んで登る。
前爪はしっかり一回で蹴り込むことという指導の通り一歩一歩。
リッジの左側を登っているので向こう側がどうなっているのかは見えないけれどたぶん壁。
こちら側も斜面はかなり急なので高度感がある。
滑落したら事故になる場所なので緊張感がある。

やがてマークが前衛峰のピークの一歩手前まで達するが…

続く

写真は最初がモンテローザ登山ルートから見えた朝のマッターホルン。

2枚目はモンテローザ、デュフール・スピッツェ前衛峰の登りの斜面。
写真ではそんなに急斜面には見えないのだけれど…。
たぶん右奥がデュフール・スピッツェの頂上。
3枚目その前衛峰へのルートをバックに。




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