GRF邸訪問記 - 番外編
2018年10月9日 オーディオ
先日GRF邸を訪問していろいろ聴かせていただいたのですが…
(訪問記はこちら http://community.phileweb.com/mypage/entry/3806/20180918/60381/)
その中で私としては思いがけない経験をいたしました。それは和室のユニコーンを聴かせていただいたときでした。いろいろ一通り聴かせていただいた後で私が持ち込んだこのCDの再生をお願いしたのです。
写真1参照
田部京子さんとカルミナ・カルテット+1によるシューベルトの鱒
和室のユニコーンの環境だとこの室内楽は合うかなと思ったのです。結果はちょっと意外。立体的な空間表現を得意とするユニコーンですが、どうもこのソフトとは相性が悪いのか…各楽器が平面的に配置された感じで演奏の生き生きとした感じがやや希薄に感じられます。
GRFさん、このソフトはよくご存じのようで、メイン・ルームでも聴いてみてと言って場所を移動。トロバドールのシステムで再度聴かせていただくと…やっぱりここでも立体的な響きが得にくい。楽器の配置が平面的に感じられます。これ録音だからとのGRFさんコメント。
「田部京子さんの演奏は好きなので、いっぱい持っていますが、この録音会社は全部同じ」と田部さん以外の室内楽、歌曲も含めて日本録音のCDをずらっと並べて見せてくださいました。その中にはよくオフ会でリファレンス用に使われているCDも…
逆に田部さんのCDでもこれはいいんだ…と見せてくださったのがコレ。
写真2参照
CHANDOS録音のドビュッシー。これはソロピアノですが、確かに空間が感じられる。このCD欲しくなりました。(笑)
やはりこれはこの会社の録音の特質によるところのようです。多くの録音のモニタールームやミキシング、マスタリングで使用される調整室では音響空間表現までモニターできる環境にはなっていないのではないかと思われます。その中で再生時に立体的な音響表現を実現する音に仕上げるのは録音エンジニアのウデ、経験によるところが大きいのか…考えさせられる経験でした。
この「鱒」の録音は各楽器の音を明瞭に表現ことを主眼にまとめられているのでしょう。著名オーデイオ評論家から高く評価されていたように記憶しているので再生側の環境によって評価が分かれる録音なのだと思います。
GRF邸の環境は録音の立体的音響表現情報を極めて明確に容赦なくさらけ出すのでこのような結果になったのだと思います。ある意味、すごく怖いシステムです。
この件に関しては家に帰ってからもいろいろ考えたのですが、そういえば私の好きな鮫島有美子さんの歌曲のCD「日本のうた」もその録音だというのを思い出しました。
写真3参照
いろんな場所で録った音源の寄せ集めでその音の差はすごく顕著です。私の好きなのはホール録音のものです。念のため聴きなおしてみると、やはりスタジオ録音は論外。立体的音響空間とは無縁のように感じられます。ホール録音でも、日本で録ったものとドイツで録ったものはかなり違っていて一番立体的空間を感じるのはドイツのホールで録ったもの。録音エンジニアには外国人と日本人の名前がクレジットされていますが、場所で異なるのか…
「鱒」は録音場所はチューリッヒですが、スタジオ録音だからそうなったのか?
私の録音経験だとスタジオ録音のような狭い空間での録音でも録音方法によって立体的音響空間を再現するのは可能だと思っています。ただ、その場合でも部屋の響きは重要なのですが…
どんな録音でも心地よく聴かせるのが良い再生装置だとのご意見をどこかで見たような気がします。そういう考え方もあるのは理解しますが、私自身はそうは思いません。それもありだと思いますが、弱点をさらけ出すタイプも貴重です。それもすべての弱点をさらけ出すなんてものはないので、多種多様でしょう。
いろいろなタイプがあり、それぞれ好む人が違う、それでいいのだと思っています。ただ、自分の好きなアーティストの録音は心地よい音で聴きたいというのはありますけれど。
今回の経験で再認識したのは特定の音源をリファレンスにして再生側の評価をすることの危険性です。その音源がオーディオ評論家を含む一部の方たちの評価が高いものであったとしても… 自戒の意味でここに記しました。
(訪問記はこちら http://community.phileweb.com/mypage/entry/3806/20180918/60381/)
その中で私としては思いがけない経験をいたしました。それは和室のユニコーンを聴かせていただいたときでした。いろいろ一通り聴かせていただいた後で私が持ち込んだこのCDの再生をお願いしたのです。
写真1参照
田部京子さんとカルミナ・カルテット+1によるシューベルトの鱒
和室のユニコーンの環境だとこの室内楽は合うかなと思ったのです。結果はちょっと意外。立体的な空間表現を得意とするユニコーンですが、どうもこのソフトとは相性が悪いのか…各楽器が平面的に配置された感じで演奏の生き生きとした感じがやや希薄に感じられます。
GRFさん、このソフトはよくご存じのようで、メイン・ルームでも聴いてみてと言って場所を移動。トロバドールのシステムで再度聴かせていただくと…やっぱりここでも立体的な響きが得にくい。楽器の配置が平面的に感じられます。これ録音だからとのGRFさんコメント。
「田部京子さんの演奏は好きなので、いっぱい持っていますが、この録音会社は全部同じ」と田部さん以外の室内楽、歌曲も含めて日本録音のCDをずらっと並べて見せてくださいました。その中にはよくオフ会でリファレンス用に使われているCDも…
逆に田部さんのCDでもこれはいいんだ…と見せてくださったのがコレ。
写真2参照
CHANDOS録音のドビュッシー。これはソロピアノですが、確かに空間が感じられる。このCD欲しくなりました。(笑)
やはりこれはこの会社の録音の特質によるところのようです。多くの録音のモニタールームやミキシング、マスタリングで使用される調整室では音響空間表現までモニターできる環境にはなっていないのではないかと思われます。その中で再生時に立体的な音響表現を実現する音に仕上げるのは録音エンジニアのウデ、経験によるところが大きいのか…考えさせられる経験でした。
この「鱒」の録音は各楽器の音を明瞭に表現ことを主眼にまとめられているのでしょう。著名オーデイオ評論家から高く評価されていたように記憶しているので再生側の環境によって評価が分かれる録音なのだと思います。
GRF邸の環境は録音の立体的音響表現情報を極めて明確に容赦なくさらけ出すのでこのような結果になったのだと思います。ある意味、すごく怖いシステムです。
この件に関しては家に帰ってからもいろいろ考えたのですが、そういえば私の好きな鮫島有美子さんの歌曲のCD「日本のうた」もその録音だというのを思い出しました。
写真3参照
いろんな場所で録った音源の寄せ集めでその音の差はすごく顕著です。私の好きなのはホール録音のものです。念のため聴きなおしてみると、やはりスタジオ録音は論外。立体的音響空間とは無縁のように感じられます。ホール録音でも、日本で録ったものとドイツで録ったものはかなり違っていて一番立体的空間を感じるのはドイツのホールで録ったもの。録音エンジニアには外国人と日本人の名前がクレジットされていますが、場所で異なるのか…
「鱒」は録音場所はチューリッヒですが、スタジオ録音だからそうなったのか?
私の録音経験だとスタジオ録音のような狭い空間での録音でも録音方法によって立体的音響空間を再現するのは可能だと思っています。ただ、その場合でも部屋の響きは重要なのですが…
どんな録音でも心地よく聴かせるのが良い再生装置だとのご意見をどこかで見たような気がします。そういう考え方もあるのは理解しますが、私自身はそうは思いません。それもありだと思いますが、弱点をさらけ出すタイプも貴重です。それもすべての弱点をさらけ出すなんてものはないので、多種多様でしょう。
いろいろなタイプがあり、それぞれ好む人が違う、それでいいのだと思っています。ただ、自分の好きなアーティストの録音は心地よい音で聴きたいというのはありますけれど。
今回の経験で再認識したのは特定の音源をリファレンスにして再生側の評価をすることの危険性です。その音源がオーディオ評論家を含む一部の方たちの評価が高いものであったとしても… 自戒の意味でここに記しました。
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