Project "M" - Mont-Blanc Training Day 3
Project "M" - Mont-Blanc Training Day 3
Project "M" - Mont-Blanc Training Day 3
6月22日(火)、今日もトリエン小屋泊まりなので、着替えなど今日の行程に必要ないものは小屋に置いていく。
バックパックは軽い。

モンブランに向かう24日の行程がオリジナルのプランでは午後からだったのにコースの変更で午前中からに変更されるのに伴って、明日23日はなるべく早くシャモニーに下るようにするため、今日と明日の行程を入れ替えることになった。
今日のハイライトはサレーナ・パス(Saleina Pass)での氷壁登り。
トリエン・プラトーに降りてからクランポンを着け氷河を向こう岸に横断する。昨日よりももう少し下流(左側)の岸を目指す。
今日も快晴。
左側はるかかなたにマッターホルン頂上部の3角形が小さく見える。

対岸に渡ってコル・デ・プリネ(Col des Plines)から急斜面を下るが、このコルからの雲海の眺めがすばらしい。
この後、無人の避難小屋の前で小休止。
マークが世界で1番きれいなトイレと呼ぶ木製の小さな建物が断崖の上に立っている。

ここから少し登っていよいよサレーナ・パスへ。
斜度約45度。長さ60mくらいか。
急斜面でのアイス・アックスの使い方を教わる。
マークが先ず登って確保した後、登っていく。
アイス・アックス、右足、左足、といった順番で雪面に打ち込み/蹴りこみながら一歩一歩登る。

上に着いたところで大休止、ピクニック。
ここを越えると再びトリエン・プラトーに出る。
昨日とほぼ同じコースをたどって氷河を渡りトリエン小屋へ。
対岸に渡ったところで小屋に登る前に急な雪の壁のところで滑落停止訓練と懸垂下降、壁登りの訓練を行う。

まずは滑落停止訓練から。先生はマーク。
クランポンをはずしてまずはアイス・アックスなしで行う。
尻で滑り始めた後、体を反転させて手と靴先を雪面にかけて止める。
次にアイス・アックスを使っての場合。
フランス式ではアイス・アックスは必ずピックを進行方向に向けて握るので、滑落した場合にはまずアイス・アックスを持ち替える必要がある。
アイス・アックスを右手で持っていた場合にはまず左手でアイス・アックスのシャフトを掴み、ブレードの上から掴んでいた右手を下から掴むように持ち替えた後、体を左側に反転させてうつ伏せになりながらピックを雪面に突き刺して止める。
これを何度か繰り返して練習する。
フランス式のアイス・アックスのピックを必ず進行方向に向けて持つ方法はピックで自分の体を刺さないようにという理由だとのこと。

この後、ガイドのクリストフのところで懸垂下降の練習。
今日は自分でロープを緩めながら速度調整して下る。
恐る恐る、でもちょっとおもしろい。
下りはヨイヨイ。しかし、登りでちょっと手こずって最後は引っ張り上げられる。
簡単にはうまくいかないものだ。
カミさんも無事終了。登りは自分の方がうまかったと自慢げ。

これで今日の行程は終わり。
小屋に登って後はリラックス・タイム。
小屋の食堂でカミさんはどんぶり紅茶、僕はお腹が減っていたので野菜スープを頼む。野菜スープは薄味で香味野菜の微妙な風味がいい感じ。パンも付いてヴォリュームがあって大満足。

写真は1枚目がコル・デ・プリネで。
2枚目はドリーの避難小屋の前で。
3枚目はサレーナ・パスの登り。
Project "M" - Mont-Blanc Training Day 2
Project "M" - Mont-Blanc Training Day 2
Project "M" - Mont-Blanc Training Day 2
6月21日(月)、トレーニング2日目。

今日はテテ・ブランシェ(Tete Blanche 3421m)に登った後、峠を越えてスイス領に入りトリエン・プラトー(Plateau du Trient)へ行く予定。
トリエン小屋(Trient hut)が今日のお宿。
今度のテテ・ブランシェは昨年登ったツェルマットのテテ・ブランシェ(3704m)とは違う山。
英語で言えばWhite Topというような意味だが、この名前の山はかなりたくさんあるようで紛らわしい。

また、僕らの準備が遅れ出発が最後になってしまった。
天気予報どおり、快晴。
小屋を出てしばらくは雪道をクランポンなしで登る。
トゥール氷河に出たところでクランポンを付けメンバーとロープで繋がれる。
マーク、カミさん、僕、ジャン・ポール、パスカルの順番。
昨年のオート・ルートのときに越えたコル・ドゥ・トゥール(Col du Tour)を左に見て斜面をジグザグに登る。
相変わらずマークが絶妙なペースを刻んでくれる。
テテ・ブランシェ直下の雪原にバックパックを置いて空身で登る。岩と雪、氷混じりの登りなのでクランポンがガリガリいって登りにくいが程なく頂上。
頂上は360°のパノラマだがカメラをバックパックに置いてきてしまった。
パスカルたちもカメラを忘れてしまったみたいで残念ながらここでの写真はなし。

先行した若いチームはもうちょっと高い隣の山、グラン・フォルシュ(Grande Fourche 3610m)に登ったようだ。
この後、3チームが合流してトゥール・パス(Tour Pass)の雪の壁を降りた。
斜度45度くらいか? 僕らにとっては初めての懸垂下降だがここでは自分でロープをコントロールするのではなく上で確保してくれているロープを徐々に繰り出してくれるのに従って一歩一歩降りる形。
カミさんはうまく降りたが、僕はちょっと苦労する。
雪面が柔らかく、時々深く足をとられてバランスを崩し次の1歩がうまく出ない。
何度かスタック。なかなか難しい。

氷河の際に出たところでピクニック。
目の前に広大なトリエン・プラトー(Plateau du Trient)が広がる。
また、この雄大な氷河に来られたことがうれしい。
この後、広い氷河を反対側に渡る。今日のお宿のトリエン小屋が氷河向こう岸の岩の上に見える。
途中、昨年ピクニックで寄ったオーニー小屋(Orny hut)が右下の氷河左岸の岩の上に小さく見える。
氷河の向こう岸、左岸に渡ってクランポンをはずした後、ちょっと登って岩の上に立つトリエン小屋(3096m)に無事到着。

トリエン小屋は新しいきれいな小屋、木の内装が美しい。5年ほど前に建て替えられたようだ。
小屋の食堂でパスカル、ジャン・ポールと少し話をする。
彼らはお揃いの草色のフリース・ジャケットを着ていてなんとなく顔つきも似ているので兄弟かと思ったら、ジャン・ポールはパスカルの姉(妹?)の旦那だとのこと。なんとジャン・ポールが僕と同じ年の生まれで、パスカルはカミさんと同じ年、同じ月の生まれだということがわかった。同世代だったのだ。

食事の後、ロープの結び方の講習会があった。
8 Knotと呼ばれる結び方や懸垂下降のときに用いる 8 Ringの使用法について教わる。
8 Knotなどその時には理解したつもりになったのだが、帰国した今これをやれといわれても自信がない。
う~ん。

写真は1枚目がトゥール氷河の登りで、ガイドのマークとカミさん。
2枚目はトゥール・パスで。
3枚目はトリエン・プラトーで左からマーク、ジャン・ポール、パスカル、カミさん。右上の岩の上にトリエン小屋が見える。
Project "M" - Mont-Blanc Training Day 1-2
昨年のオート・ルート・トレッキングもここル・トゥールから出発して最初にアルバート・プリミエール小屋に泊まったので去年と同じコース。
ただ今回はゴンドラ・リフトの後、チェア・リフトも使って高度を稼ぎ小屋までの時間短縮を図っている。

事件はチェア・リフトから降りる時に起きた。
4人乗りのチェア・リフトなので僕とカミさんが乗ってバックパックはそれぞれの脇の座席に置いていた。
先ず椅子から降りた後、バックパックを降ろそうとしたのだがヘルメットが椅子の背の裏側の何かに引っ掛かって外れない。
あせって前後に揺らして引っ張るがまったく外れない。
そうこうしているうちにリフトは既に逆向きになって下りの方に向いて僕がリフトを追っかけるようになる。
ここでリフトの背中側からバックパックを引っ張ったところ何とか外れて事なきを得る。

もう心臓バクバク。
バックパックを抱えて安全なところに避難してからその場にへたり込んだ。
周りで見ていた人たちもさぞびっくりしたことだろう。
ちょっと離れたところにいた係りのお兄さんも飛んできてやはり胸をなでおろしている。
助かった。神様仏様に感謝。

そんなこんなで僕らはちょっと出発が遅れた。
パスカルとジャン・ポールは前の組に着いていったらしい。
マークが僕らの前に立ってリードしてくれる。
昨年と同じ絶妙のスローペース。急がなくていいからと言ってくれる。
昨年と違うのは下が真っ白なこと。
今回は緑の草地ではなく雪の上を歩く。
昨年とほぼ同じ時期なのだがまったく景色が違うのでビックリ。
マークは雪渓のトラバースなどやや危険と思われるところではロープを体に直接巻いて確保してくれる。
結果的には前に行った参加者から時間的にそれほど遅れることなくアルバート・プリミエール小屋(2702m)に到着。
ちょっと懐かしい。

小屋でピクニックの後、空身でゲーター、クランポン、ハーネスを身につけ、アイス・アックスを持って小屋の裏の雪原でマークから上り下りの講習を受ける。
昨年の氷河歩きの復習のようなものだったが、それに加えて急斜面でのクランポンの前爪の蹴り込み方や岩場でのクランポンの爪のかけ方などの練習をする。
天気が悪く、風もあるので動かないと結構寒い。

アルバート・プリミエール小屋はかなり混んでいるが今年は母屋(?)の石造りの建物のドミトリーを割り当てられた。
夕食の砕いたチーズを入れていただく野菜スープがおいしかった。

写真はアルバート・プリミエール小屋の食堂で。
山小屋名物どんぶり紅茶でリラックス。


Project "M" - Mont-Blanc Training Day 1-1
Project "M" - Mont-Blanc Training Day 1-1
6月20日(日)、今日からマークの山岳ガイド会社、ル・ペイ・デン・オート(Le Pays d’En Haut http://www.lepaysdenhaut.com/)のモンブラン・トレーニングコースへの参加となる。

このプログラムは最初の4日間が、氷河や雪上での歩行、アイス・クライミング、クランポンを履いての岩登りなどの訓練で標高2700mから3100mくらいの山小屋に泊まるため高度順応を兼ねている。
4日目はシャモニーで1泊、その後の2日間でモンブランへの登頂を目指すことになっている。
ル・ペイ・デン・オートのプログラムは高度順応のためには高いところで泊まる必要があるとの考え方に基づいている。
ちなみに日本のツアー会社のモンブラン登頂コースでは登頂前の宿泊はほとんどが標高約1000mのシャモニーなのでそのような考慮はなされていないようだ。

また、このプログラムではモンブランのために必要な登山技術は最初の4日間でトレーニングするので参加者に技術的なレベルを要求していない。
ただ、体力レベルについての要求は高く7Kgのバックパックを背負って1時間に高度差500mのペースで1000m登れてバテバテにならないことを求めている。
クライテリアは極めて明確。

朝、置いていく荷物をホテルに預けてチェックアウト。
予報では天気がよくないのでゴアテックスの雨具の上着とゴアテックスのアルパインパンツをはいている。
そそくさと朝食を摂って待ち合わせ場所のモンタンヴェール(Montenvers)登山電車の駅に向かう。
シャモニー駅から登山電車の駅にいくための跨線橋が工事のためか閉鎖になっていたので大回りして時間をロスした。待ち合わせ時間ちょうどの7時50分になんとか到着。
すでに参加メンバーが待っている。
マークと再会を喜びあう。

ここでサプライズ。
まず、モンタンヴェールへの登山電車が土砂崩れのため動いていない。
従って、メール・ド・グラス(Mer de Glace)氷河で行う予定だったアイス・クライミングの講習は山の上で行うとのこと。
そしてもっと驚いたのはモンブランへの登頂コースの変更。
当初の予定ではケーブルカーでエギーユ・ドゥ・ミディ(Aiguille du Midi)まで行って、そこから歩いて約20分のコズミック小屋(Cosmiques Hut)に泊まって翌朝深夜出発しモンブラン・ドゥ・タキュール(Mont-Blanc du Tacul)とモン・モディ(Mont Maudit)の2つのピークを越えてモンブランに登る三山縦走コース(3 Mont-Blanc Route)のはずだった。
しかしながら、雪が多すぎて雪崩の危険があるためこのコースは現在閉鎖されているとのこと。
というわけでテート・ルース小屋(Tete Rousse hut)、グーテ小屋(Gouter refuge)経由のノーマル・コースを採るとのこと。
しかも、宿泊の予約が取れないからだろう、テート・ルースにテントを張ってそこから一気に頂上まで上ると言う。
テート・ルースからだと標高差1600m以上あるのでかなりつらい登りになりそうだ。
通常、ノーマル・コースはグーテ小屋泊まりで残り1000mを登ればいい筈なのに…
しかも、下りはその日中にテントを撤収し、さらに下の登山電車の駅、ニー・デーグル(Nid d’Aigle)まで降りて登山電車とケーブルカーで帰ってくるらしい。

マークは「大丈夫、深夜に出発すれば頂上には朝着くし、帰りはテート・ルースでシエスタ(お昼寝)した後、下ればいいんだから」などと言うが…。
彼は自分でも僕はオプチミスティックだと言っているのでたぶんそうなのだろう。
でも、彼の笑顔を見ていると何とかなるのかもしれないと思えるから不思議。
いずれにしても他に選択肢はないので従うしかない。
グッド・ニュースとしては明日から天気はよくなりそうだということ。
モンブランへの登頂ルートについては以下のURLに詳しいのでご参考まで。
http://www.icicle-mountaineering.ltd.uk/conditions.shtml

最後の参加者が現れて参加者12人が揃った。
フランス人が9人、スペイン人が1人、そしてカミさんと僕。カミさん以外は全員男性。
若い人が結構多い。明らかに僕らが一番弱そうだし、年齢も一番上かもしれない。
カミさんと顔を見合わせてダイジョブかしらん…。

ガイドは3人で、マークの他にピーターとクリストフ。
トレーニングでは一人のガイドに4人の参加者がひとつの組になる。
僕らのガイドはマークでフランス人のパスカルとジャン・ポールが同じ組になる。
彼らは僕らと同年代かも。

モンタンヴェールには行かないので午前中に今日の宿泊地のアルバート・プリミエール小屋(Albert 1er Hut)に行くことになる。
僕らとパスカル、ジャン・ポールはマークの車でテレキャビンの起点のル・トゥール(Le Tour)に向かう。
ル・トゥールでは時間が早いので参加者全員でまずCofee/Tea Break。
その後、テレキャビンの乗り場前でヘルメット、安全環付きカラビナが2個ついたハーネスの分配を受ける。
これらはル・ペイ・デン・オートからの借用品。
ヘルメットはバックパックにくくりつけたのだが、これが後で大変なことになる。

続きは次回。

最初の写真はモンブランの2つのコースのルートとその標高を示す図。
2枚目はル・トゥールのテレキャビン乗り場前で。

Project "M" - Chamonix Day 2
Project "M" - Chamonix Day 2
6月19日(土)、今日はラック・ブラン(Lac Blanc)へハイキングの予定。

ラック・ブランは白い湖という意味。
天気がよければそこからのモンブランの眺めがすばらしく、湖面に映った逆さモンブランが味わえるとのことだが、今日の天気は冴えない。
朝から小雨模様。

上はゴアテックス雨具、下はゴアテックスのアルパイン・パンツをはいてほぼ完全武装で出発。
インフォメーション・センター近くのパン屋さんでフランス・パンを購入。昨日のパン屋さんとどちらがよいか比較のため。
シティ・センターのバス停で隣町のレ・プラ(Le Praz)行きのバスを待つ。
バスはホテルでもらったサービス券を見せればタダなのでありがたい。

レ・プラでバスを降りてラ・フラジェール(La Flegere)行きのケーブル・カー(日本語ではロープウェー)へ。
当初の計画ではラ・フラジェールからさらにチェアリフトでアンデックス(index)まで上がってからラック・ブランへ向かう予定だったが、切符売り場でアンデックスまで買おうとしたら、窓口のオバサンから雪が多いためアンデックスから行くのは止めたほうがいいとのアドバイスをもらう。
雪が多い場合には道迷いの危険が増すため、素直にアドバイスに従いラ・フラジェールまでの往復券を購入する。

ラ・フラジェールでも天気は相変わらずよくない。
標識に従って、林道を歩き出すといきなり東洋人の年配の男性とすれ違う。
あまり早い時間ではなかったので、湖から下りてきた方かと思ったのだが、声をかけたら日本人でどうも湖への道がよくわからなくて引き返してきたらしい。
林道がすぐに工事中(?)で途切れているようだ。

左側の斜面にフットパス(Footpath)らしきやや不鮮明な上り口があるので、3人でそこを登ることにする。標識も何もないのでやや不安。
道はあまりハッキリしない。右下に林道が見えるが確かに途切れているように見える。
やがて前方上方に標識としっかりとした道が現れてホッとする。
湖に向かうのは我々3人だけで他に誰も居ない。
こんな天気に湖に行くのはもの好きな日本人だけなんですかねぇ等と話しながら進む。男性はシャモニーの知人宅に長期滞在しながら周辺のハイキングを楽しんでいるとのこと。既に悠々自適の生活なのか…ちょっとうらやましい。
彼はアンデックスまで上がったがやはり道がわからなくてラ・フラジェールまで戻ってきたとのこと。僕らは切符売り場のオバサンのアドバイスに従って正解だったようだ。

道はトラバースしながらだらだらと登るが急なところはほとんどない。
晴れていれば右側にシャモニー・ヴァレーをはさんでモンブランやシャモニー針峰群やメールドグラス氷河などが見えるはずだが、眺望はほとんどない。
雪渓をいくつか渡ったところでラック・ブランの小屋が見えた。
ラ・フラジェールから1時間半くらいか。さすがにここには何人かハイキング客が見える。

小屋の中でコーヒーをいただいてピクニック。
ラック・ブランはまだほとんど凍っていて湖面は中央部にわずかに見えるだけ。
他は雪で覆われているので、小さな水溜りがあるだけのように見える。
ラック・ブランは標高2352m。
食事中に雪が降ってきた。
この標高でこの時期に雪とは…改めてここの緯度の高さを認識させられる。

帰りはおじさんが先に出発したので、僕とカミさんの二人で元来た道を降りはじめる。どうも僕らは下りが遅い。途中で若い人を含む本格的な装備のアルピニストの団体に抜かれる。
どこかの岩場でトレーニングしてきたのかもしれない。
雨がやや強くなってきた。

帰りもケーブルカー駅に近くなったと思われる林道で道を見失う。
いきなり工事中で通行止めの標識。
ちょっとガスっていてケーブルカー駅の場所も見えないので困ってしまうが、通行止めを無視して大きな水溜りを何とか迂回して進むとラ・フラジェールへの標識が現れてホッとする。
ケーブルカー駅に着いてケーブルカー待ちしていた先ほどのおじさんとも合流する。
この時間だとちょうどレ・プラからシャモニー行きのバス1時間に1本のバスに間に合わない。
でも、おじさんが川沿いに歩いていけば約30分くらいでシャモニーに行けると教えてくれたので、歩いて帰ることにする。

シャモニーのホテルに戻って登山靴を履いたままクランポンを持ってSANGLARD SPORTSへ。
クランポンの再調整を頼む。昨日と同じ高校生くらいに見える若いスタッフが調整するが、今回は僕らが付っきりで指示する。彼はほとんど素人みたい。
セミ・オートマチックのかかとの止め具の高さ調整用ネジのセッティングもおぼつかない。
素人の僕らが指示するんだからなんともはや…不安になってしまう。

何とか調整してもらって帰るときに店の女主人(?)に彼はあまり経験が無いみたいだけどって言ったら、やはり彼はまだ高校生でどうたらこうたらと言い訳していた。エキスパートが明日から来るので、調子悪かったらまた来てとも…
明日からはトレーニングで山に入っちゃうのでもう来れないのに。
結局、彼女はUVプロテクション用のリップ・スティックを1本タダでプレゼントしてくれた。

今日の夕食は昨日食べ過ぎた反省もあって、スーパーで野菜を買ってパンとチーズ、サラミ・ソーセージなどでホテルの部屋で簡単に済ませた。
明日からはいよいよマークの山岳ガイド会社のモンブラン・トレーニングコースが始まる。朝が早いので早めに就寝。

写真はラック・ブランで。


Project "M" - Chamonix Day 1
Project "M" - Chamonix Day 1
6月18日(金)、実質的には今日がシャモニーでの初日。

今日の予定はレンタルショップでのクランポン(アイゼン)とアイス・アックス(ピッケル)のサイズ合わせとシャレー・フローリアへのお散歩ハイキング。

朝、ホテル近くのパン屋さんでピクニック用のフランスパンを購入。
その後、ホテルのフロントで教えてもらったソーセージ、ハム、チーズのお店でエメンタール・チーズ(外国のアニメに出てくるような穴あきチーズ)を500gとサラミ・ソーセージを調達。
これは今日明日のハイキングと日曜日から始まるモンブラン・トレーニング期間中の食料。

その後、シャモニーの駅近くのスポーツショップ、SANGLARDへ。
クランポンを登山靴に合わせて調整してもらって、昨年と同じ長さのアイス・アックスを確保して今日の遅くか明日取りに来ることを約束して店を出る。
それから観光案内所でシャレー・フローリア(Chalet La Floria)への登り口を教えてもらってハイキングに出発。
天気は曇り。雨が降っていないのがせめてもの救い。

プランプラへのゴンドラ・リフトの駅を左から右奥に巻く道が登り口のようだ。
標識を頼りにフローリアへ向かう。この道はモンブランとはシャモニー・ヴァレーを挟んで向かい側。晴れていればモンブランやシャモニー針峰群などの眺めがよいはずだが、今日は期待できそうもない。

フローリアはたくさんの花で飾られた山の中の軽食・喫茶の小屋。
一般的なガイドブックにも出ている有名なお店。
ちょっとミーハーっぽいけど足慣らしにはちょうどよいコース。
ただ、先ほど寄った観光案内所での情報によると今日は飲み物だけでお食事はできないとのこと。

標識を確認しながらゆっくり歩いたのでほぼコースタイムの1時間40分でフローリアに到着。さすがに花の飾りつけはお見事。
コーヒーを注文する。ピクニックしてもよいか聞いたら向こうの木のベンチとテーブルのほうだったらかまわないということだったのでコーヒーをいただいた後で移動する。
朝調達したフランス・パンとチーズ、サラミ・ソーセージでお昼にする。
どれも僕の嗜好にはバッチリなのだが、チーズとサラミ・ソーセージはどうもカミさんの口には合わないみたい。なにか他のものも買い足さないと…。

シャモニーに帰ってからSANGLARDへ寄ってクランポンとアイス・アックスを受け取る。カミさん用の食料としてスーパーでクリーム・チーズを購入し、ホテルに戻る。
ホテルで念のため登山靴にクランポンを装着してみたのだがここで問題発生。僕のもカミさんのもクランポンの長さがまったく靴に合っていない。長すぎる。
今回はお店の若いスタッフが調整してくれたのだが…明日もう一度行かなくちゃならない。仕事がひとつ増えた。

夕食は地元サヴォワ料理のお店。
ハーフボトルの赤のハウスワインを取ってコース料理を注文する。
僕はビーフシチュー、カミさんはチキンがメイン。
僕らにとってはちょっと豪華。
日曜から始まるモンブラン・トレーニングと登頂に向けての景気付け。

写真は1枚目がフローリアの前で。
2枚目はフローリアからモンブラン方面を望んで。残念ながらモンブランは雲の中。
Project "M" - Chamonix Day 0
6月17日(木)、成田からSAS機でコペンハーゲン経由ジュネーブに到着。

SASのコペンハーゲン行きエコノミー席は食事の選択もできない。
でも牛肉の夕食(?)はJALに比べればまだましかも。
コペンハーゲンからジュネーヴまでの機も飲み物、軽食は全て有料なのはちょっと寂しい。
予約時点でのジュネーヴまでの一番安い航空券だったのでしょうがない。
成田からは1時間以上遅れて飛び立ったが、コペンハーゲンにはほぼ予定時間通りに到着。コペンハーゲンでのトランジット時間は1時間足らずだったので預けた荷物の積み残しを心配したが、ジュネーヴで無事受け取れた。
さすがコペンハーゲン。ヒースローやシャルル・ドゴールではこうは行かないだろう。

昨年同様今回もジュネーブ(Geneva)、シャモニー(Chamonix)間はAlpy Busを予約している。
発車まで時間があったので空港内の喫茶店でコーヒーを飲みながら時間をつぶす。

Alpy Busに乗り合わせたのは自転車を詰めたトランクを持つ二人連れの比較的若い大柄な男性と大きなザックを背負った若くて大柄痩身の女性二人。
女性二人はデンマークから来たとのこと。
ということは僕らと同じフライト。
彼女たちもモンブランに登る予定だとのこと。登るコースは僕らと同じコズミック小屋(Cosmic Hut)かららしい。
なかなかの美人さんたちだが、若くて強そう。
彼女たちはシャモニー手前の街外れ(?)のロッジが並ぶところで下車。
自炊してロッジに泊まるようだ。

シャモニーのホテル デラルヴェ (De L’Arve)には10時過ぎに到着。
さすがに既に暗い。
昨年と同じホテルなので勝手知ったるという感じ。
モンブラン・ビューの部屋を予約していたのだが、通されたのは東側の部屋で大きな部屋なのだがモンブランは見えない。
フロントに戻って文句を言ったら、次に戻ってきた時(モンブラン・トレーニングのため山小屋泊まりの後またここに戻ってくる予定)にはモンブラン・ビューの部屋にしてくれるという。
今の部屋はモンブランは見えないが大きめの部屋なので、モンブラン・ビューの部屋とは料金は同じなのだが、ちょっぴり安くしてくれるというのでありがたく受け入れることにする。ここ数日は天気は良くなさそうなのでモンブラン・ビューのありがたみはないと思われるためかえって好都合。

写真はホテル De L’Arve。 
Project "M" - Successfully Completed
Project "M"、ついに本番。

6月17日に成田を出発してコペンハーゲン、ジュネーヴ経由でシャモニーに入りました。
20日からはマークの経営する現地ガイド会社のモンブラン・トレーニング・コースに参加。
25日にカミさんと一緒にモンブラン、4810m への登頂を果たしました。
Project "M" のMはMont-BlancのMだったんです。

今日、無事に帰ってきました。
氷河上でのトレーニング場所が登山電車の土砂崩れによる不通で変更になったり、
最初に予定されていたモンブランへの登頂コースが積雪が多く、雪崩の危険のために変更になったり、ハプニングはいろいろありましたが、何とか目標達成。
ほっとしました。
今はちょっと小さな幸せに浸っています。

この詳細はまた別途書いていこうと思います。

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